『それいいな!』の山道具

    ~ 登山人生でめぐり会えた全ての道具たちに捧ぐ ~

    << PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

    >> EDIT

    落石について ~当たるとほぼ・・・

    んーと。
    どうも今年は各地とも残雪が多いようですね。
    雪と岩と植物と空のコントラストで、例年以上に美しい景色が期待できます。
    が、反面、絶対に気をつけなくてはいけないことがあります。
    それが今回のお題『落石』についてですね。

    鹿島槍本谷
    この時、左の岩稜からひっきりなしに落石が飛んできました。

    私は今まで、もう何回かわからないくらい、落石だったりブロック(雪の塊)だったりをよけていますので、その経験を踏まえ、さまざまな角度からみなさんにアドバイスをしたいと思います。

    その1 ~起きる要因

    ま、この時期の落石は『雪が解けること』によって起きることが多いです。
    雪が押さえていた浮き石が、雪が解けることで落ちて来たり、
    雪の中に混じっていた石が、融雪で表面に出て落ちて来たりします。

    その2 ~落石の確認

    ガラ場の場合は音がするのですぐにそれと気づきますが、雪渓の場合は音がほとんどしないので細心の注意が必要です。
    よって、雪渓を登下降する時は、時々顔を上げるなり振り返ることが重要です。
    慣れない人は、登りは下を向いて足元ばかり見ることが多く、また下りでも、滑らないようにすることで頭がいっぱいです。
    登りは『ひ~は~』と息を整える時に顔を上げたり、下りは50mおき、ヤバそうな時は2~30mおきに振り返りましょう。
    下りは面倒な作業ですが、ロクって(死んで)しまうことを考えれば面倒がらずにやりましょう。

    その3 ~避(よ)け方

    まずは落石が来そうな斜面や雪渓に入った時は『来るもの』として頭を切り替える必要があります。
    んで次に、もし来た場合の逃げ場所を探し探しルートを進むことになります。
    ボーッと歩いていて、来ましたー、逃げましたー、滑落しましたー。
    もしくはクレバスに落ち込みましたーじゃ話になりませんからね。

    1個の場合。
    落石は野球で言うところの『イレギュラーバウンド』することがほとんどですので、来たからと言って早々と避けても、避けた方へイレギュラーして来ることも多々あります。
    よって、ある程度引きつけておいて『サッとかわす』必要があります。
    私は慣れてますので、10mくらいまで引きつけてからサッとかわします。
    速度は弱い高校のピッチャーの球より遅いです。

    複数個の場合。
    遠くでは幅が狭く見えても、近づくと意外と広いこともあるので、全部かわそうと思って避けたつもりがそうでも無かったりします。いくつも転がって来ると、結構最初は恐怖を感じますが、冷静に良く見ると、自分に向かってくるのは1~2個です。
    それをさらに引きつけると結局1個になりますので、あとは同じ要領です。

    もし運良く近くに巨大な岩があればそれに身を隠すのが一番安全です。

    その3 ~人工落石を起こさないように。

    雪渓を登下降する時には『スプーンカット』を利用すると歩きやすいです。
    雪渓上に落ちている石を上手く利用するのも滑らないです。
    ただ、浮いた石を踏んでしまうと、その石を落としてしまうことになります。
    私は浮いているかいないかは一目でわかりますが、慣れていなければ踏まない方がいいです。
    20年くらい前にGWの白馬大雪渓で、書くのもはばかられるような悲惨な事故も起きているので、十分に注意してください。

    初めて落石を経験する時はビビります。
    こちらに向かって飛んでくる勢いもそうですが、脇をかすめる時の『ブーン』と言う風を切る音はすごいです。
    私は先輩に教わった避け方を頭に入れておいたので、まずは最初の落石をかわすことができました。
    あとは何度も食らってるうちに、冷静に判断して余裕を持って避けれるようになりました。
    私同様に、
    何も知らない場合と、このレポを読んで少しでも頭の片隅にある場合とでは、結果が全く違うことになりますので、何度も読み返して少しでも頭に入れておいてください。
    んでもって、今年の美しい夏山を思い切り満喫しましょう。


    ろっくんろーる。


    ガイド業を始められる友人のhiroさんのHPが完成しました。
    詳細は『Hiro Moutain Planning』をご覧ください。






    関連記事
    スポンサーサイト

    | ☆ ~死にたくなければ~ ☆ | 21:44 | comments:14 | trackbacks:0 | TOP↑

    COMMENT

    ご無沙汰しております。

    目目連さん、こんばんわ

    大変ご無沙汰しています。
    やっと少しづつですが復帰しました。
    でも、完全ではないのです。

    今の僕は、もはや観光ハイカー成り下がってしまいました。

    今回の記事、はたして今の僕に参考になるだろうかぁ・・・?

    クソ暑い夏山をフッ倒れるんじゃないかと思うぐらい汗をかき
    がむしゃらに歩いたあの頃
    今は、そんな勇気と自信が無くなってしまいました。

    山に対しての夢と希望と目標を
    そして勇気と自信を
    知力、体力、時の運
    少しずつでも、この夏に取り戻したいです。

    | オニオン/ | 2017/07/20 00:18 | URL |

    Re: ご無沙汰しております。

    おお!
    オニオン/さん

    お久しぶりです。

    やっぱり誰しも色々あると思います。
    私も、仕事が忙しかったり、怪我だったり、気がそげていたりで山から離れていた時期もあります。
    仕事と怪我はある程度仕方ありませんが、気がそがれていた時期でも、何かのきっかけでまた戻りたくなりました。

    オニオン/さんは謙虚な姿勢で一つずつ学ぼうとしてらっしゃいました。
    お若いので、何度か行けば体の感覚はすぐに取り戻せると思います。
    気持ちの面も、ふとした事でまた立ち向かう気力が戻って来ると思います。

    無理をせずに、自分に正直に、また積み上げて行ってください。
    応援しています。

    | 目目連 | 2017/07/20 20:01 | URL |

    おはようございます、目目連さん!

    まず、今回いろいろと教えていただき、ありがとうございました!
    昨日無事に帰ってきました(^^
    詳細は、おいおいアップしていきますね!

    さて、白馬の雪渓上での話で一つ、目目連さんの意見を伺いたいシーンがありました。
    葱平のちょっと下、大小さまざまな石が転がっている辺りの事です。
    ツアー団体らしきパーティで、先頭にいたガイドらしき人が、自分のアイゼンに付いた雪を取るのに、その辺の石をガンガン蹴って、雪を取っていたんです。
    そして後ろの人達に、「雪が付いたらこうやって落とすといいですよ。 あまり石が小さいと落ちないから、ちょっと大きめの石でやってください。 でも石を落とさないように、注意してやってくださいね」と教えていました。
    …これってどうなんでしょう?

    私は「…えっ!?e-263」とびっくりしてしまいました…葱平みたいな上部で石を蹴りこんで、うっかり石を落としてしまったら、大変な事になると思うのです。
    持っているストックでアイゼンを叩いて、雪を落とすものだと思っていただけに、本当にびっくりしたんです!

    それとも、私の知らない雪上の常識があるのでしょうか???
    ぜひ、教えてください!e-315

    | 悠 | 2017/07/22 10:51 | URL |

    目目連さん

    こんにちわ♪
    落石と言えば、初めて大雪渓に行った時の事(まだ一回しか行ってませんが)
    視界は目の前のtotoちゃんも少し離れたら見えないくらいの中
    「ラク」って声がするものの全く何処で起きてるのかがわからない???
    ゴロンゴロンと岩が転がってくる音だけはするものの。。。???
    見えた時には数メートルの所で、totoちゃんが逃げろって叫んだ瞬間
    急いで逃げようとして転んでしまい、岩が私に向かって転がってくるよぉ〜
    私は死ぬんだってって思ったら私の1mあるかないかの距離を巨大な岩が転がった
    転がって行く風圧まで真横で感じるみたいな!!
    あの時は本当に怖かったです(涙)
    転がって行った岩の大きさと、転がって行った跡を見てそぉ〜
    totoちゃんが、その後しんどくても座って休憩させてくれなくて
    たち休憩の時も、上を向いておくようにと。。
    多くの方下を向いて座って休憩されてました!!
    多くの方が落石に対しての知識って私もでしたが持ってないんですよね!

    | えれぇこった2号 | 2017/07/22 14:42 | URL |

    Re: タイトルなし

    悠さん

    まずはおかえりなさい。
    楽しかったようですね。空気が伝わって来ます。
    レポお待ちしてますね。

    さてと。
    雪落としの件は『論外』です。
    『注意してやってください』ではなくて、少しでも失敗する可能性がある場合は『教えない』ことです。

    アイゼンの雪はピッケルやストックで叩いて落とすのが正解です。
    それに、アイゼンにダンゴが着くような雪の場合はアイゼンは要らないです。
    一度、悠さんに言ったことがあると思いますが、基本的に『氷』に対して着けるものです。

    今回のツアー客が、事故の原因を作らないことを祈るばかりですね。

    | 目目連 | 2017/07/22 20:30 | URL |

    Re: タイトルなし

    奥方。

    毎度どもっす!

    雪渓の上では結構大きな岩も、バウンド音は『テッ、テッ、テッ』みたいにほとんど音がしません。
    で、間近で『ブォー』みたいな音が聞こえます。

    よって、ガスの中の雪渓歩きは非常に怖いです。
    気付くのが間近になってからなので、かなり運動神経が良くても難しいです。
    可能な限り避けた方がいいです。

    落石の知識ってのは、こう言うところで起きますよーとか、
    雪渓上は音がしないので注意しましょうくらいな、一般論しか聞けないので、今回のレポをできるだけ多くの人が読んでくれるといいなって思っています。

    ちょっとhiroさんにお願いして、当たっても痛くないゴム毬みたいなボールを投げてもらって、避ける練習するといい『かも』しれませんね。
    あくまで私の体感ですが、転がって来る落石は時速100km前後だと思います。
    稲村亜美ちゃんの始球式の投球速度くらいですね。

    | 目目連 | 2017/07/22 20:42 | URL |

    連投失礼します

    こんばんは、目目連さん!
    回答、どうもありがとうございます(^^

    そうですよね、やっぱりそのガイドがおかしかったんですよねe-330
    スキーの時に、靴に付いた雪を取るのにストックで叩くので、てっきり同じだと思っていたら、そんな事を言うのでとても驚いたんです(--;
    でも安全を考えると石を蹴りこむなんてあり得ないし、かと言ってそこで「それは違う!」とはっきり言いきれるほど、雪の経験がある訳でもないし、もう、なんていうかこう”もやもや”としたものがこみ上げてきて、帰ったらすぐに目目連さんに確かめなくちゃ!と、思っていたんです(^^;

    この件、私のブログ内でもアップしたいと思います。
    その時、目目連さんの今回の「落石について」もリンクしたいのですが、よろしいでしょうか?

    | 悠 | 2017/07/22 20:45 | URL |

    Re: 連投失礼します

    悠さん

    もやもやがスッキリして良かったです。
    山は基本的に個人ブレ―ですが、相手は自然だし、他にも沢山人がいるので、そこまで考えないと行けませんね。

    リンクはOKですよ。
    っつーか、一人でも多くの人に知っていただきたいので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

    | 目目連 | 2017/07/22 20:51 | URL |

    目目連さんヾ(●´ω`●)こんばんは♪

    落石の起きるような雪渓って場所は、初めてのアルプスだった針ノ木と飯豊の石転び沢の2つしかないのですが、針ノ木ではクレパスに落ちた人を見(すぐ下が地面で良かった)石転びでは5m位離れた所を、石じゃないけど雪塊が猛スピードでコロコロ転げ落ちて行きました。
    雪塊でも十分怪我できるなって、その時思いました(;´Д`)
    どちらも大先輩が同行してくれたので、危ない箇所を教えてもらいながら歩きました。

    この週末は、珍しく北ア・・・だけどマイナーな所で遊んできたのですが、午後6時くらいに泊まってた避難小屋に人が来たのでビックリして場所を開けようと思ったら、これから下山するとそのパーティーが言いまして。。。
    順調に小屋から下りても4時間弱。
    でも夕方に豪雨が降ったので登山道は荒れてるだろうし、もっと時間がかかると思って唖然としました。
    下山完了、何時だよ?って(;´Д`)
    黒部五郎を日帰りしてたらしいですが、完全なる山行計画の失敗ですよね。
    って、前回の記事のお話になりましたが、ビックリしたので第一報を目目連さんに(;´∀`)

    | 雪野 | 2017/07/23 22:40 | URL |

    Re: タイトルなし

    雪野さん

    毎度どもっす!

    針ノ木や石転びなどのルートがある雪渓でも落石やブロック(雪塊)が飛んで来ます。
    バリエーションで、残雪を利用してアプローチする時は、さらに飛んで来ますね。
    次にその大先輩と雪渓を歩く時は、色々とうんちくを聞くと、私とは違った経験を積んでおられるので、役立つお話をいただけると思います。

    後半の話は、今流行りの日帰り登山ですね。
    水晶や黒部五郎などの奥深い山を日帰りして、ヤマレコにアップしてる人が何人もいます。
    私は鹿島槍の日帰りなら何度もしてますし、早月や黒戸尾根ならわかりますが、水晶や黒部五郎などは無謀の範疇だと思います。
    ヤマレコに無謀登山をアップして、散々注意されてたじいさんがロクった(死んだ)りしてますので、閲覧数稼ぎのために無謀をするのはどうかなと思っています。

    | 目目連 | 2017/07/24 19:12 | URL |

    アウトドアいいですよね!
    私は最近、阿蘇山に登山に行ってきました。
    登山好きがきわまって生きているうちに百名山を制覇しよう、と思い立ち週末は登山に精を出しています。
    生きているうちにどれだけの山に登れるか・・・。
    http://yama.ww3.jp
    ワイのサイトです。

    | | 2017/07/26 06:35 | URL |

    Re: タイトルなし

    はじめまして。

    ご訪問ありがとうございます。
    サイト拝見させていただきました。
    私とはまた違った方面からの詳細なレポだと思います。
    たびたび訪問させていただいて、勉強させていただきます。

    今後ともよろしくお願いいたします。

    | 目目連 | 2017/07/26 21:18 | URL |

    目目連先輩、こんにちわ!
    落石の避け方と向き合い方のレクチャー有難う御座います。

    確かに常にそこにある危険ですからね。。。
    気を付けて山行に励みたいと思います^^

    | RED EYE | 2017/07/28 11:56 | URL |

    Re: タイトルなし

    RED EYEさん

    毎度どもっす!

    これが頭にあるだけで、違った結果になります。
    実際、私も言われた通りやって避けました。
    いざと言う時のお役にたてればうれしいです。

    | 目目連 | 2017/07/28 20:38 | URL |















    非公開コメント:

    TRACKBACK URL

    http://mtngoods.blog.fc2.com/tb.php/171-1bc4ac0b

    TRACKBACK

    << PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>